2年ほど前から、私は京都の街をよく歩くようになった。京都は歩く方がずっと楽める街だと思う。狭い路地が何本もあるから、ふらっと入ってみると繁華街ではまるで見られない「いかにも」京都らしい街並みが見られたり、そんな中に町家を改装したお店(ダイニングや雑貨店、レストランなど)がひょっこり現れたりするから。それに、ちょっとした看板やのれんを見るのも楽しい。
夜の三条通は、四条通とはひと味違う。重厚な市役所はまるでダ・ヴィンチコードに出てきそうな趣だ。
あるいは…、二条通にはこんな過去における近未来的建物があったりする。外国の人が階段を降りてきたけど、一体全体なんの用途で建てられた建物なのかは謎。
四条烏丸においては、建築家・隈研吾作のCOCON KARASUMAの浮き出るような唐草模様のファサードが美しい。
大阪や神戸ではそうはいかない。大阪だと路地に入ると途端に薄汚れた感じになったり、神戸は普通に最近の住宅街が続くだけになる。多分私はひいき目になっているとも思うけれど、やっぱり京都は「歩く街」だと思う。私も彼も歩くのが好きだから、ひたすら私たちは歩く。てくてく、てくてく。私はいつもカメラを手にしているから、時々立ち止まってパチリと写真を撮る。彼も一緒に立ち止まって私が撮るのを待っている。
そして、また歩き始める。あんまり二人ともそれほど京都の道をよく知らないので、記憶に頼りながらふらふらと時々迷っては戻ったりするから、京都に行く時はいつもポケット手帖を持つようになった。
昨日も、京都駅から天気もまぁそんなに悪くもないし、いつもとは違う道で行ってみようと、高瀬川沿いに歩くことにした…(以下に続く)
鬱蒼と繁る木々。なかなか静かでさびれてて京都の裏という感じ。ところが五条あたりにくると、古めかしいお茶屋が。ん?茶屋?…五條楽園という看板がちらっと見えた途端に、一緒にいた人がちょっと緊張した面持ちになり、え?何?と聞いても普通には答えてくれず手をひっぱられ足早に通り過ぎる羽目に。ちょうど五條大橋のあたりにきてカフェ「efish」が見えたあたりになると、ようやく落ち着いた面持ちに。どうやら、昔の花街(というか遊郭?)でかなり危ない地区なのだそう。聞いたことはあったけど、本当にあるなんて、とびっくりしながら教えてくれました。へぇ。
後で調べてみたら、こんな記事を発見。
すぐ南に位置する花街「五條楽園」に金魚鉢を置いていることにヒントを得て、この店は建物を金魚鉢に見立て、1階のオレンジ色の椅子を金魚に見立てている。 さらに驚くべきことに実際に大きな水槽が設置してあり、観賞用の魚が 訪れる人の目を楽しませている。「efish」という店の名前も「五條楽園」に由来がある。一条通りをAとして五条通りはEにあたる。「efish」は、営業中の看板がわりに金魚のいる水槽を店先においている「五条楽園」の遊郭にちなんでいる。
彼はefishを知らず、五條楽園がどういう地帯かわかってて建てたのかなぁ?と不思議がっていたのですが、ここに答えが。そうだったのか。なるほど、そう聞くとなんだかユーモアが効いてていいですね。こんな風にちょっとした発見も歩くからこそ。(笑)
そして河原町通りを上がっていく。
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efish | shin nishibori(公式サイト)