大正時代の銭湯を再生した「嵯峨野湯」カフェ（嵐山）

　ボリショイサーカスが終わったら、円町駅まで移動。暑くて死にそう…。そこから嵯峨野線に乗り、嵐山まで移動。…嵐山か、こうやって散策に来るのは、ものすごく久しぶりだな。2年前の夏の夜、渡月橋からいくつもの灯りを眺めたこともあったっけ。もう随分と昔に思えるよ。

　嵐山駅を降りて、渡月橋の方へ少し歩くと「嵯峨野湯」というカフェがある。ネットで見つけて、もう是非とも行きたかった場所で、その名の通り「嵯峨野湯」という随分と昔に建てられた建物をリノベーションし、その面影を残しつつ美しく再生したカフェ。

　こんな夏デザートの告知もあり。

　オフィシャルサイトでは、そのリノベーションの模様を見ることも出来ます。

　うだるような暑さの嵐山において、白い壁に落とされた影と、鮮やかな緑色の葉を茂らせた木々が、涼しげな風情を感じさせる。

　一歩中に入ると、まず目立つのは眩しいほどの白いタイルと、昔ながらの番台。心地よい空間。一応分煙されており、右側の窓際は喫煙可能なテーブル（少し渋めのグリーンのちょっと固そうなイスが気になった。ああいうイスはわりと好きかもしれない）、真ん中の広い空間は禁煙のテーブル。奥にはテラス席が。少し気温が下がった春や秋には、あそこでお茶をしてみるのもいいかもしれない。上部は吹き抜けで、明るい青空が見え、光をやさしく射し込むトップライトが取り付けられているので、なんともすがすがしい。

　少しきしむ床をふみしめ、

テーブルに腰掛けてから（若干テーブルが高いかな？でもこういう無垢の木はよいね。手触りが好きだ）、ゆっくりと周りを見渡すと、昔銭湯だったことを思わせる物がそこここにあふれている。

　例えば、もちろん銭湯なので水道の蛇口（これ、ひねったら水が出るんだろうか？ひねらないでね、という注意書きがあったけれども）や、木の靴箱や着替えを入れるボックスなどなど。

　広いし、静かだし、古いものを置きながらも綺麗だし、すごく上手に空間が作られてる気がした。それが全然あざとい感じではないし、とにかく客に心地よく過ごしてもらおう、という気持ちが伝わってくる、本当に気持ちのよいカフェ。久しぶりにいいカフェに出会ったなぁと嬉しくなった。

　残念ながら、写真はNGだったので中は撮れなかったんですが、その理由がよい。すべてのお客さんに気兼ねなく落ち着いてゆったりと過ごしてもらうためなので、と。なるほどね。以前は違ったのかもしれない、というわけで店内の写真の詳細は以下のサイトでご覧あれ。

・のりみ通信 SAGANO-YU■嵯峨野湯
・銭湯をカフェに嵯峨野湯京都リノベーション｜セルフリノベーションケーススタディ＋中目黒一軒家PLATHOME
　　　　　
　さて、頼んだメニューは、私はホットサンド。彼の人はカレーを。ランチメニューはそれほど多くはない、というか寧ろ少ないと言った方がいい。しっかりご飯を食べる、というんじゃなく、お茶でも飲みながらゆっくりするのにお薦めです。

　お味の方は、というとかなり美味しかったですね。塩味がぴりっときいたハム。ほどよく食べやすい大きさだったし。大体ホットサンドを頼むと大きすぎて具がはみ出てきてしまうことが多いんだよね。カレーも一口いただきましたが、スパイスがきいてちょっと辛めで上品に仕上げてありました。男の人にはちょっと量が足りなさそうではあるけど。

　立地的には、便利とは言えない場所ですが、何度でも訪れたいと思わせてくれました。

　あと、ちょっとした雑貨なども売られていて、じっくりは見ることが出来なかったので今度はちゃんと見てみたい。スタッフの方に、この建物リノベーションするのにどれぐらいかかったんですか？と聞いたら大体4ヶ月ぐらいかかったのだと気さくに答えてくれて、ちょっとたわいない話をしたりして。ほんといいカフェだった。