一保堂茶舗「嘉木」の極上煎茶セットを頂く(寺町二条)

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 土曜日の夜、唐突な京都へのお誘いに二つ返事で承諾。そのかわり、いくつかの買い物と行きたい場所があるからつきあってもらうことに。ちょうどよかった。そろそろ京都に行きたかったところ。

 日曜日、雪がちらつく中、急ぎ足でホームに下りる。京都に着く頃にはすっかり雪はあがっていたけれど、冷たい風には変わりはなかった。京都の玄関口で待ち合わせたシキ君と、四条烏丸まで地下鉄で向かう。さすがにこの寒さじゃ歩く気にもならないよ。
 
 地下鉄のコンコースに向かう途中で「東山花灯路」のポスターを見かけ、あ!と思って「ねぇ、これ今ちょうどやってるから行かない?」と誘ってみると「実は、これに行こうと思ってたんだ」ってそれならそうと言ってくれればいいのに。(笑)去年は寒くて行きそびれたけれど、今年は見られそうだと思って、寒さでかじかんでいた気分がふいに上向きになった。

 アクタスで会社用のスリッパを購入してから、先日手に入れた「京都を買って帰りましょう」をおもむろにとりだし(実は鞄の中にこっそりと潜(ひそ)ませてきたのだった)、実はここに行きたいの、と地図を見てもらう。迷う確率は出来るだけ低くしておいた方がいいでしょう?

 まずは、そのうちの一つ「一保堂茶舗」へ。一保堂は京都に本店を持つお茶の専門店。東京のデパートにも出店しておられるようなので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。

 創業は今から約290年前の享保年間(1717年)。近江出身の渡辺伊兵衛(わたなべいへい)が、京都のほぼ中心に位置する、寺町二条に茶、茶器、陶器を扱う店として「近江屋」を出したのが始まり

なのだそう。屋号は「茶、一つを保つように」と山階宮から賜ったらしい。

 ここのお茶を一口飲んでみたい、というのが今回の目的で、このお茶屋さんには「喫茶室 嘉木(かぼく)」が併設されていていくつかのお茶を飲むことが出来るのだ。「嘉木」は煎茶の中でも最上級の銘柄、それがこの喫茶室で飲むことが出来る、というのだからお茶好きの私を惹きつけるのは当然だ。

 そして、また雑誌で紹介されていたのは、「嘉木」ほどではないがそれでも極上の「芳泉(ほうせん)」というお茶。その比較がうまく表現されていたのが以下の文章。

 芳泉の旨みは水の波紋のように緩やかに広がるが、嘉木はストレートに脳にまで届きそうな強さがある。一張羅の煎茶だ。でも毎日飲むなら、私は芳泉を選ぶ。嘉木は才色兼備で近寄りがたいクールな美人。芳泉は愛らしく、一緒に居て心地よい綺麗な人を思わせる。

 のれんをくぐると、広い店内の左側に大きな壺が並び、目の前には茶葉の見本。左側には一保堂のオレンジ色の茶壺がショウケースの中に鎮座ましましている。まるで薬屋のような白い上着をきた男性の店員さんは、丁寧に試飲のお茶を入れ配り、ここだけまるで時代がさかのぼったような雰囲気。

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 まずはお茶を、と喫茶嘉木へ。人気の茶房故、少し待ってから通された。通りから光りが格子越しに差し込み、街路樹が障子に影を落とす。日曜日の午後の風景。なんて綺麗なんだろう。

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 持ってきていただいたのは、


嘉木を入れた急須と、お茶碗が二つ、そして日によって変わる京菓子。そして沸騰したお湯の入ったポット。もちろん煎茶の正当な入れ方など私たちは知るよしもなく、丁寧に説明をしていただいた。

1.まず、熱湯を茶碗に注ぎ、かなり熱いのでもう一度別の茶碗に移したあと、急須にさっと入れる。
2.余分な渋みが出るので、急須はゆすったりはせず、そのまま50秒ほど静かに待つ。
3.うまみが凝縮された最後の一滴までしっかりとしぼりきる。そうすると、二煎目(二回目のお茶)、三煎目も美味しく飲めるのだ。

 シキ君と真剣な顔つきでお茶を入れる。そして…一口。

 !!

 今まで味わったことのない味だ。ちょっと渋みがありつつも、まろやか。そして甘い。うわ、これは美味しいわ。

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 今まで自分が飲んできた煎茶は何だったんだろうと思う。和菓子も甘すぎず上品で、「落ち着くね」と二人してほっこりしてしまった。いや、ほんと落ち着く。なんか、こういうの、いいね、と予想外に嬉しそうな表情をシキ君が見せる。カウンターではお抹茶の点て方を教えてもらっている人もいた。あれもいいな。

 二煎目、三煎目になると渋みがとれ、さらにまろやかな味になった。

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 二条通りよりさらに上がるので、四条からは少し遠いかもしれないけれど、ここは来る価値は多分にあります。もちろん、帰りに「芳泉」を買うのを忘れずに。…続く

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一保堂茶舗/喫茶 嘉木
京都市中京区寺町通二条上ル
9:00a.m.-7:00p.m.(日・祝 6:00p.m.)
無休
http://www.ippodo-tea.co.jp/

【参考サイト】
京都趣味日記: お正月には欠かせない大福茶
けんの食欲物欲見聞録: 一保堂のタンブラー

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『一保堂茶舗「嘉木」の極上煎茶セットを頂く(寺町二条)』へのコメント

  1. 名前:京都趣味日記 投稿日:2007/03/13(火) 06:17:11 ID:6a6ddf72e

    お正月には欠かせない大福茶

    京都一保堂茶舗の大福茶です 京都一保堂茶舗の大福茶(おおぶくちゃ)は、上等の茶

  2. 名前:sorarium 投稿日:2008/07/25(金) 01:30:08 ID:383b18ec9

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