「日の名残り」でイギリス最高の文学賞ブッカー賞を受賞したこともあるカズオ・イシグロの小説「わたしを離さないで」が映画化されることになりました。公式サイトはこちら→映画『わたしを離さないで』公式サイト
公開は来月、3月26日。
予告編を見てみると、わりといい感じ。原作から受けたイメージとそれほど大きく外れないキャスト陣にちょっと安心しました。ただ、どうやら、原作とはかなり内容を変えてあるらしいので、映画は映画として楽しむ方が良さそう。
ヘールシャムという施設で育った3人の子どもたちが、次第に自分たちがなぜそこにいるのかという大きなそして重い真実を成長する過程で知っていくのですが、このストーリーはあらすじを言ってしまうととたんに魅力が失われてしまうので、それは映画あるいは小説の楽しみにとっておいてください。
小説の方は、カズオ・イシグロの淡々とした語り口で物語は展開していくのですが、心の動き、葛藤を繊細に描きながらも抑えられた文章で静かに物事が進んでいくので、目が離せない。
この静かな物語を、映画でどんな風に描いたのか、とても興味があるので、多分見に行くことになるかと。怖くもあり、楽しみでもあり、といったところでしょうか。
原作は早川から文庫で出ています。当時買った時は装丁がもっとカラフルなイラストだったのですが、単行本と同じ装丁になったのですね。ちなみに、この作品もブッカー賞の最終候補に上がりました。
それにしても、Amazonでのレビューが139件あるにもかかわらず平均評価が4.5という…。すごいな。
映画を見た後でも、前でもいいので、これはぜひとも原作を読んでいただきたい一冊。去年読んだ中でベスト1です。