映画「ソーシャル・ネットワーク」を観てきたので軽く私の感想を書くとともに、すでにこの映画を観た人たちのレビューがいくつか上がってきているのでそれを紹介したいと思います。
(映画を見るまでは一切何も知りたくない!という人は読まないでくださいね)結論から言うと、非常に面白かったです。冒頭部分は、現在と過去が入り乱れるのですが、この映画の主役でもあるマーク・ザッカーバーグ(facebook創設者)の見た目がほぼ大学時代と今と変わりがないので(当然といえば当然かも。なんといっても現在彼は26歳!)少し混乱してしまいました。
最初のマークと彼女Ericaとの喧嘩部分はラストにもつながり非常に印象的でしたし、なんて嫌な奴!という感じなのですが、彼女にふられ、腹いせに作ったフェイスマッシュという女の子を二人同時に表示して比較するというサービスをハーバードの寮の友人たちと話ながら一気につくり上げる様は、今現在、新サービスがすごい勢いででてくる昨今のネットの裏側を見せられた気がしてドキドキしました。
ただ、アパッチとか非常に専門的な用語がかなり出てくるので、これはエンジニアの人が見たら意味がわかって尚更面白いだろうな、とも。特に、入社試験(?)とかも楽しめるのでは。
あと、さすが訴訟社会アメリカ!と思ったりも。おそらく訴訟した彼らはまだ20代なのですが、日本でこういう若者が弁護士を使って訴訟するってのはあんまりないような気がしたので。
いくつかレビューを見ていると、マーク・ザッカーバーグが悪者のように見えていた人がいたようなのですが、個人的にはあまり感じませんでした。悪意が感じられる、というよりは、ただただクールだからやっている、という感じがして。
facebookはクールじゃないと、という言葉がすごく印象に残りました。
それにしても、もともとハーバード大の学生だけで使われていた排他的サービスが、今はアメリカのネットユーザーの8割が使っているサービスになったというのは本当にすごいことですよね。ほとんど、facebookで探せば出てくるんです。このあたりのことは以下のtogetterが非常に興味深かったので読んでみてください。
そしてザッカーバーグのインタビューが掲載されているので、こちらもぜひ。→アダム・ペネンバーグ×マーク・ザッカーバーグ(「フェイスブック」創業者) – VIRALLOOP.jp 書籍『バイラル・ループ』オフィシャルサイト
「ソーシャル・ネットワーク」を観た人の感想まとめ
他の人のレビューもあがってきていますが、非常に面白かったので一部ご紹介。
まずは経済学者の池田信夫氏のレビュー。確かに実際にfacebookを触ってないとぱっとわからない部分がいくつか出てくるので(例えばwallとか)、ユーザーだとかなり楽しめるはず。
池田信夫 blog : ソーシャル・ネットワーク – ライブドアブログ
前評判ほどではないが、よくできた娯楽映画だ。Facebookのテクノロジーをめぐる話はほとんど出てこず、青春ドラマと金もうけと訴訟というハリウッド的ストーリーで、Facebookのユーザーでなくても楽しめるようにできているが、ユーザーが見ると不満が残るだろう。
次は、モバツイを作ったfshinさんならではのレビュー。実際に起業した人からするとやはり色々映画では多く触れられない部分もわかるのだろうな、と。
F’s Garage:映画「ソーシャル・ネットワーク」の感想
じゃぁ諸手を上げて、、、、面白いですよ!皆さん見ましょうね!と言えるかというと、自分的には、ちょっと違うかもしれないなぁと思っています。これはあくまでも自分自身の視点ですが、やっぱりビジネスを進める上で、他の人に迷惑をかけることもあると思うんですね。全ての人の要望を満たすことは難しい。
以前Yahooで働いていた今はフリーランスエンジニアのHolyGrail氏のレビュー。自分も見ながら、これはエンジニアの人が見たらより一層面白いだろうな、と思ったので、「こんな人は見るべき」には同意。
ソーシャル・ネットワークを見てきた – id:HolyGrailとid:HoryGrailの区別がつかない日記
こんな人は見るべきである
•現場でコードを書いているウェブエンジニアである
•フリーランスである
•小規模なベンチャー(10人以下ぐらい)で仕事をしている
•デヴィッド・フィンチャーのゾディアックが好きだ
これは去年の10月に書かれたレビューですが、色々予習していくと面白いよ、と。でも予習してなくても全然楽しめましたし、逆に本を読んでから映画を見るとがっかりすることも多いので、予備知識なしで読んで後でここであげられているものを読んだ方が面白いかも。
映画「ソーシャル・ネットワーク」を見る前に予習をおすすめするものたち – はみだし
とてもいい映画だったのでまたDVDになったりしたらじっくり見たい。 2時間以内という制作制限を付けられた上で分厚い原作を脚本に落としてある作品なので、かなり密度が濃いしスピードがはやい! すべてでなくてもいいので、軽く予習してから行くとより面白く見れると思います。
それから、いくつかのコンピュータ書の翻訳や、執筆をされている方のブログからも。
結論を書くと、新年一発目の劇場鑑賞をこんな良い映画から始められて嬉しい。
〜中略〜
デヴィッド・フィンチャーが監督ということで、予告編の印象からもっと冷たく無機質な映像を予想していたのだが意外にそうでもなくて、凝った映像処理はそれほどないが、双子のウィンクルボス兄弟を一人二役でごく自然に画面に出しているようにワタシなんかが気付いてないところであったのかも。トレント・レズナーの音楽も、以前坂本龍一が映画音楽について書いていた「画が弱いところに音楽をつける」を思い起こさせるベーシックな感じだった。
デヴィッド・フィンチャー監督は「セブン」「ファイト・クラブ」「パニックルーム」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を手がけた人です。うちの相方はそれだけで、この映画が観たい観たいと言っていたわけですが。
最後にもう一つ。
ソーシャル・ネットワークを観た: Meine Sache ~マイネ・ザッヘ~
この映画をフルに楽しむには、アメリカの名門大学のあり方を知らないと、なかなかピンと来ないと思います。また当然ながら、普段からネットに親しんでいる人でないとお話になりません。このふたつの要素だけでも、ほとんどの日本人を疎外するに十分ですが、もうひとつ重大な問題があります。
それは、主役のザッカーバーグ君をはじめとする登場人物が一様に早口で、なおかつ病的によく喋るということです。
この映画には冒頭から「クラブ」というある種選ばれた人だけが入れるグループが出てくるのですが、このあたりは確かに知っておかないと???となるかも。これは上記にあげた記事の「予習をおすすめするものたち」にも書かれています。
それとある程度ネットを知ってないと辛い、というよりは、楽しめないのではないかと私も思いました。逆に親しんでいる人なら存分に楽しめるかと。
映画を観た後で読みたい二冊
映画の原作になったのがこの「facebook」という本。創業者であるマーク・ザッカーバーグの取材は受けられなかったため、映画でも出てきた親友エドアルド・サヴェリン視点から書かれているそう。
もう一冊は元フォーチュン誌のライターがこの本を執筆するためにフリーになり、マーク・ザッカーバーグ(映画の主人公でもあるfacebookの創業者)自身へのインタビューや、フェイスブック社員のほか、大学時代の友人やベンチャーキャピタリストにまで綿密に取材した一冊です。
facebookのファンページ「フェイスブック 若き天才の野望」では、下記の本の一部がPDFで配布されています。第一章のさわり部分だけですが、これが非常に面白い。翻訳はTechCranch Japanの翻訳チームの方がされているので非常にわかりやすいです。ちょっと小説みたいですごく面白いのでこちらは私も購入予定。
劇場で観て遜色はない映画だったので、ぜひどうぞ。
ちなみにワーナーだとキャンペーン中で映画イッポン!元気ニッポン!2/6(日)・13(日)は1,000円ディをやっているので、この両日に行くと結構お安く見られますよ。ただし、かなり混むと思うのでe席リザーブなどで予約しておくのが吉かと。