帰りに久々にブックオフに寄って以下の二冊を購入。
永江朗氏は、わりとよく私が読む雑誌に出てたりしているし、結構好感を持っているライターさんの一人。だったのですが、一冊も買ったことはなかったのです。結構面白そうな本を書いているなぁとそそられる人ではったのですが、ふっと手にとってみたら、どのページを見ても面白い面白い。「本をよく読む本屋、本を読まない本屋」の章なんて、「全くもって」と深く頷いてしまう。(この方は元書店員。この本、出来れば書店員時代に読みたかったかも。)
本屋だからといって必ずしも本を読むとは限らないということに気づいた。よく読む人もたくさんいるけれども、まるで読まない人も珍しくない。たいていの人は本が好きで本屋になる。~中略~本が好きで本屋になったのに、あるいは本屋に勤めたのに、どうして本を読まなくなるのだろうか。理由を聞くと、「忙しいから」という答えが多い。だけど、忙しいことと本を読まないことは関係ないと思う。
私が勤務していた店では、書店の社員は私を含めて3人。入れ替わりも激しく、新人研修も何度も行ったが、その中で本を読むのがとても好き、という人は全くいなかったように記憶している。数十人いたバイト生の中でも、たったの二人だけ。それも二人とも大学生だった。忙しいから読まない、というのは、ほとんど関係ない、と私も思う。実際のところ、残業も、深夜勤もあって、勤務時間中に本なんて読めるはずもない。(大抵書店に勤めている、というと楽なイメージをもたれていましたが、真逆です。全くもって)とはいえ、休憩時間中と帰宅してからの時間、私は貪るように本を読んでいたと思う。書店に勤めていると、出会いが多い。買っては読み、読んでは買う、という中毒症状を起こしていたような気がする。けれど、本が読めないことはなかった、読みたい本が多くて困ってはいたけれど。
本を読まない本屋さんは本のことをあまり知らない。ときどき本屋の棚を眺めていて、「何でこの本がこんなところに」と思うことがある。たとえばリリー・フランキーの本が海外文学の棚にあったり、北村薫のミステリが女性作家の棚にあったり。~中略~本屋にとっての動体視力ということを考える。~中略~新しい本について、それが本の世界のなかでどのような場所にあるのか、的確にわかるのがすぐれた本屋だ。その判断力が動体視力。~中略~この「なんとなく見当」がつくかつかないかが、本屋の棚では大きな違いになってあらわれる。
わかりますね。棚を見れば。本を読んでないと、わからないんですよね、これが。経験によって培うことは出来るんですが。
例えば…、私が勤め始めた頃、「沈黙の春 レイチェル・カーソン著」をお客様に尋ねられて、店の在庫をコンピュータで検索すると1冊ありました。
さて、あなたならどの分野の棚を探しますか???
新潮社 (2001/06)
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私は、タイトルから海外文学だと思いこんで、その棚を必死で探しましたが一向に見つかりません。なぜ?!ノンフィクションの棚なども探しましたが見つからずに焦っていると、ベテランの上司が、「それは環境科学」とすっと科学の棚から持ってきてくれました。科学書としては、「古典」だと後で聞かされて、ショックを受けたのですごく印象に残っているエピソードの一つ。全部の本を読むなんて無理なんですが、せめてせめて、どの分野でも古典のタイトルや、著名作家名ぐらいは覚えておきたいと切実に思いました。
などなど、そんな書店時代の話を色々と思い出させてくれる一冊です。ちなみに鈴木成一デザイン室の装丁。
ソシム (2005/05)
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雑誌「R25」「北欧デザイン」のSoup Designや、「大人たばこ養成講座」の文平銀座、「海辺のカフカ」「ねじまき鳥クロニクル」の新潮社装幀室の、ADインタビューや書籍デザインの実例が掲載されていて面白かったので。
その後、新刊本屋にも寄って衝動買い。
ミスター味っ子2の1巻から3巻と、喰いタンの1巻から4巻を購入。
講談社 (2004/06/23)
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