毎年、この時期に開催されている伊勢丹の「サロン・デュ・ショコラ」。きらめく宝石のようなチョコレートがずらりと一同に並び、そのチョコレートを作るパティシエたちにも会える、ということもあって毎年ものすごい人気です。
毎年、日程は二つに分かれているのですが、今年は、2/3〜8が第一弾、2/9〜14が第二弾となっています。
特に、この「サロン・デュ・ショコラ」で行われる「セミナー&デモンストレーション」では、人気のパティシエたちによるセミナーが受けられて、試食もある、ということで、朝から整理券が配られるのですが、あっという間に配布終了になってしまうのだとか。。
今年は、たまたまちょっとした縁でこのセミナーを受けられることとなり、喜びいさんで行ってきました。それも、なんと!!!
あの「小山ロール」でおなじみ、エス・コヤマのパティシエ「小山進」氏のセミナーです。
今まで、いろいろなロールケーキを食べてきましたが、私はここのロールケーキが一番好きです。素朴で優しい風味といい、ふうわりと柔らかな触感といい、くどくない生クリームといい。
一番好き。そんな小山さんのセミナー。どきどきわくわくしながら今か今かと待っていました。席はもちろん満席、後ろにも立ち見の山です!
そしていよいよ登場。のっけから、関西弁で飛ばしまくる小山氏(笑)非常にしゃべりもうまくて、楽しい。ちょうどこの日は小山氏の誕生日ということで、JR伊勢丹さんからワインのプレゼント。
早速ぐびぐびと飲みながら、パティスリーサダハルアオキの青木氏の話などを交えながら、軽快にトークは進んでいきました。
そして、「小山さんといえば、やはり…巻いてもらいましょう!」というJR伊勢丹の方が盛り上げつつ、いよいよロールケーキの実践です!
小山ロール、ではなく「小山ロールじゃないショコラロール」の作り方、です。
小山ロールじゃないショコラロール
まずは、小山氏いわく、美味しいケーキを作るために必要なのは「いい道具を使うこと」なのだそう。特にハンドミキサー。小山氏が使っているのは、クイジナートのハンドミキサーです。
そして、ボールの大きさを間違えないこと。最初は小さいサイズ、そして徐々に大きいサイズにしていくこと。
まずは生地作り。
- 卵黄は室温に(10-15分出しておく)戻してから使うこと。
- 飛び散るので、中速→高速 と速さを変えること
- 大きな泡を細かな泡に変えていく
- 先に卵黄をたててから、卵白(メレンゲ)をたてる(これは必ず!)
- 卵黄と卵白が同時に仕上がる状態が望ましい
- 速度を遅くしたら、かきまぜる手も遅くする
- 小山ロールでははちみつをいれているが、家庭では難しいので入れなくてよい
- メレンゲは、玉子の鮮度が良いものでを使う。
- 卵黄を大きいボールにうつしておく
- メレンゲはかなりもったりしてから、砂糖を投入
- 15秒おきぐらいに、4回に分けて砂糖を入れる
- 薄力粉とココアをビニール袋に入れてよく混ぜてから、ふるう→ココアは吸水性が早く、ココアが水分をすってしまうと生地が死んでしまうから(一緒にどさっといれてふるわない)
- 牛乳とバターはレンジであつあつにしておく
- メレンゲは、一度時間をおいたら、使う時に再度手でもう一度泡立てる。落ちないぐらいに。
- 卵黄に半分のメレンゲを入れる
- メレンゲを上からおさえつけるようにして、卵黄と高さをあわせる
- 右手と左手を逆まわりにしつつ、粉とココアを入れる
- メレンゲを再度泡立てて、残り半分を入れる
- メレンゲは油脂を嫌う。すじが残っていない状態で、バターとミルクを入れる
- 粉のだまをとりながら、ゴムベラでバターを持ち上げながら完成。(ムースのような感じ)
100均の木べらをつかうと綺麗に混ざるそう。
- 鉄板に紙を2枚ひく(熱が直接あたらないように)
- まず四方を埋めて、高いところから低いところへ平らに平らに。
- 空気はぬかない(とんとん、と上から落としたりしない)いい生地は泡はうかない。
- 底とサイドにボール紙をひいてから、紙をひくと温度を調節できる
- 家庭のオーブンだと「ロールケーキ」機能で20分
ガナッシュ
- 湯煎したチョコレートに少しずつ生クリームを入れる
- ザラザラの状態だと、つながっていないのとつながっているのが混じっている
- 乳化させないといけない
- 油と水がつながった瞬間にさらさらとろとろになる
- つながったら、一気に生クリームを入れる
- (チョコレートのデコレーションをする時などは、これを一日冷蔵庫で冷やしてしぼるとちょうどいい形になる)
クレーム・パティシエール(カスタード)
- マダガスカル産のバニラビーンズを使う
- 牛乳に削ったバニラを入れて、鍋にかけておく 沸騰するまで温める
- 砂糖をひとつまみ入れておくと膜が貼らない
- 卵黄に、残りの砂糖を入れて、コーンスターチをいれ、薄力粉を入れる
- コーンスターチで、ぷるん、薄力粉でねっとりふくよかに
- 牛乳が沸騰したら、卵黄に半分入れて裏ごしする
- 残りの牛乳に、裏ごししたのを入れる(一気に入れながら混ぜると糊のようになる)
- 火力を弱めてつるつるになるまでゴムベラで混ぜる
- ぴかぴか光る
- 室温のバターを入れて、混ぜたらすぐに冷ます
- 氷をいれた大きいボウルの上に、ボウルをのせてかきまわす
美味しくないカスタードクリームを作るには、材料を冷たいまま、火を通す。先に卵に火が通ってつぶつぶに、そしてそのあと粉に火が通る。
クレームムスリーヌ
- カスタードクリームには47%の無糖の生クリーム
- 北海道産のはこくがありちょっと黄色い
- しっかり泡立てた生クリームとカスタードクリームを混ぜる
- すこしずつ生クリームをいれて混ぜ込んでいく
あともう一つ、クレームルーロというのがあって、これもクレームパティシエールと生クリーム42%と粉糖を入れるのも作りつつ、ここで試食タイム。
既に作られた「小山ロールじゃないショコラロール」とマカロン!!!美味しかった…。幸せw
そして生地が焼きあがりました。
- 生地が焼きあがった時に、どん、と落とす
- 内部の空気と外の空気が入れ替わる
- まず、ふちの紙をはがす(縮むから)
- 下の紙を一枚とって裏返す
- クレームムスリーヌ(クレームパティシエールと生クリームを混ぜたもの)をのせる
- 奥から手前へ
- 手前が多めに
- ガナッシュをひいていく
- 手前から5cmぐらいのところにカスタードクリームを
めん棒を紙の下において、小さくまいていく。
紙を上へひっぱっていく。
くっとまわりこんだ状態で巻き終わり。
切る時は包丁でお湯をあたためながら切るとつぶれない。
完成。非常に勉強になりましたね。今度、作ってみたいと思います!しっかりレシピもいただいたので。
その後、売り場の方へ行くと、こんな人だかりが!!!大人気です。小山氏もサインしつつ、お客さんと写真を撮っておられました。
小山ロールは百貨店などでは売っておらず、三田のお店まで行かないと買えないんですよねぇ。。今度また行って買ってきたいと思います。
エスコヤマ
住所/兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32-1
TEL/0120-931-395(予約専用) 0120-086-832
営業時間/10:00-18:00
定休日/基本水曜日 ですがサイトで定休日の確認を!