リクルートが首都圏で発行しているフリーマガジン「R25」。
そのR25の編集者である藤井大輔氏が書いた本「「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)」が発売されました。
この雑誌が創刊するまでのプロジェクトにかかわった方が、藤井氏とのエピソードを「TABLOG:”「R25」のつくりかた” のつくりかた 」で記事にされていました。藤井氏は当時、同じリクルートが出していた「都心に住む」という住宅情報誌の編集に関わっておられたそうです。
当時の「都心に住む」には、他のリクルートの媒体には決してない、編集的な「遊び心」「余裕」が溢れていて、はっきりと違う「手触り」があった。
転機となったのは、創刊当時の11月末にOPENした羽田第2ターミナルの特集だったそうで、航空会社や広告代理店側は、8ページまるまる「広告」に使いたい、例えば、東京ウォーカーのような編集記事で、と言います。けれど、藤井氏はきっぱりと拒否。
「そんな”上から目線”で、アナタの知らない最新デートスポットを教えてあげましょう的なノリに、今のM1層はウンザリしてるのオマエも知ってるだろ。そんなダサい特集はできない。」
とは言っても、スポンサーあっての雑誌。話し合った結果、彼が提案したのは…
「たまには2泊3日のプチ旅行でもいかが?」という特集タイトルで、日頃の仕事のストレスから解放される「オトコの癒し旅行」を提案するのが編集記事4 ページ部分のコンセプト。これなら、東京ウォーカー的なモノにウンザリしているM1サラリーマンにも抵抗感なく、受け入れてもらえる。実際に紹介する旅行先は、八丈島・稚内・能登の3箇所。
八丈島・稚内・能登の3箇所が選ばれた理由は、お分かりだろうか。実は、この三箇所には、当時、国内線の飛行機は、A社しか飛んでいないのだった。
欲しくもないものを押し売りされてもいらないですよね。それよりも、イメージを高めて、その気になったところに、すっと目の前にいくつかの選択肢がある、といった手法の方がずっとスマート。うまいなぁと思います。
そんなエピソードも載っているらしいこの本、R25ファンにはたまらないかも?
ちなみに、R25という誌名に決まるまでに、色々候補はあったそうですが、そのうちの一つが「Pointer」だったとか…。R25で正解でしたね!
日本経済新聞出版社
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