ここの占星術がなかなかよく出来ていて面白い。
ちなみに私は牡羊座、アリーズだ。
ギリシャ神話で、継母に殺されようとしていた可哀想な兄妹、フリクソスとヘレーを救い出した金色の毛の牡羊。二人を安全な場所まで運ぼうとして羊は空高く翔るが、あまりの速さに目がくらんで妹のヘレーは海に落ちてしまう。急ぎ走りながら、海で溺れてしまったヘレーを悼んで、何度も何度も振り返ってみた牡羊の姿が、そのまま星座になっているのです。
第一デーク(3/21~3/31生まれ)は、純粋な牡羊座。第二デーク(4/1~4/10生まれ)は、牡羊座の人生に牡牛座の傾向が少し加わり、第三デーク(4/11~4/20生まれ)は、かなり牡牛座の影響が強くなってきます。しかし、基本はあくまでも牡羊座です。
太陽がこの星座に宿る3/21から4/20の間に生まれた人は、正義感に燃え、理想をもち、弱い者を助けて、目的地に突進する、この牡羊の性格がそのまま伝えられてます。ただし、その突進があまりに激烈なため、途中でのこまかい配慮に欠けるところがあります。そのため牡羊は、ヘレーを海に落とさねばならなかったのです。
私は前半に生まれているので第一デーク。純粋な牡羊座。不幸な兄弟を乗せて海を渡ろうとして、妹を海に落としてしまった不注意な黄金の毛をもった羊。
星占いは毎朝のテレビ番組や、多くの雑誌の巻末にのっていることが多いのだけれど、なんとなく見てしまうのはなぜだろう。信じる、信じないは別にして、見て雑誌を閉じた瞬間に忘れてしまうのだけれどね。
占星術といえば、島田荘司の「占星術殺人事件」という小説があって、これは私が島田荘司にはまることになった一冊なのだが、ここにホームズとワトソンのような二人組が出てくる。ホームズ役の御手洗が、占いで生計をたてている恐ろしくユニークで皮肉屋なのだが、それはさておき、この一冊では占星術をもとにして娘たちを殺害した、というある人間の手記から始まる。
六人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、という考えに基づいたものなのだが、その中にこんな記述がある。
西洋占星術では、人体という一種の袋状の物こそ宇宙の投影であり、縮小形であるから、この六部分のそれぞれを守護する惑星という物が厳に存在している。
頭部は牡羊座の守護星(火星)が支配している。即ち、頭部という人体宇宙の一隅は、牡羊座の支配領域に当り、この牡羊座は火星が守護している関係から、頭部は火星によって力を与えられていると言える。
人間の肉体というものは、この様に、惑星によって強められた部分を一箇所持っている。例えば牡羊座生まれの人間なら頭部を強められ、天秤座生まれのものは腰部を星により強められる。この箇所は生まれ落ちた瞬間の太陽の位置により決定されて来るわけだが、逆の言い方をするなら、一箇所しかない事が人間を人間たらしめているという風にも言える。
どうやら、私の頭部には火星の力が働いているらしい。頭部が強い、というのがどういうことなのか今一理解出来ないのだけれど、そういうものらしい。
島田荘司の御手洗シリーズの魅力は、探偵役である御手洗のキャラクターにおうところが大いにあるのだけれども、その彼が占星術師であることも私が、なんとはなしに占星術にひかれる理由の一つかもしれない。
この御手洗シリーズはこの後ずっと続いていくのだけれど、三作目である彼とワトソン役の石岡が出会う「異邦の騎士」が、このシリーズの中では最高に好きで、ファンの間でも評価が高い一冊。
まずは第一作目、占星術殺人事件からどうぞ。
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