講読しているシロクマ日報の本日の記事「シロクマ日報 > ホテル+本=?」で、魅せる本屋としてロンドンのホテル「ANdAZ London」が紹介されていたので、その日本版が大阪にあるよーと思い紹介しようと思ったのですが…
残念ながらその大阪の堂島ホテル内にあった洋書店「hacknet」が3/28に閉店するそうです。いささかショック。いつか堂島ホテルにとまって、本のコンシェルジェに本をセレクトしてもらって…なんて夢見ていたのに…。
この堂島ホテルは2年ほど前にリニューアル。家具デザインは、このすぐ近くにオフィスを構える家具デザイナー集団「graf」が担当、アートディレクションは表参道ヒルズのロゴや、amadana携帯のグラフィックスを担当した「タイクーングラフィックス」が担当しているという素晴らしいブレーンがそろってリニューアルオープンしたホテルです。
そして、このホテルの地下に「hacknet大阪店」がありました。1996年にニューヨークの図書館をイメージした倉庫を改装し南船場にオープン。その後東京へ進出、大阪店はこちらへ移転という形になったのですが、やはりホテル内の地下、となると敷居が高くなかなか入りずらくなってしまったのも閉店の理由の一つなのかもしれません。
しかしながら、ビジュアル書をメインにした、インテリアや建築・デザインの専門洋書店とホテルの組み合わせはなかなか興味深かったんですがね。
以前、記事に堂島ホテルとhacknetのコラボプランを掲載したことがあります。
堂島ホテル×hacknet『Voyage with BOOK Plan』
ご宿泊予約時に、6種類のカテゴリー(下記参照)から、おひとつお選び下さい。チェックイン時に、お客様のご指定カテゴリーの洋書を、ブックショップ「hacknet」がセレクトして、お部屋にご用意いたします。
では冒頭にあげた「シロクマ日報 > ホテル+本=?」で紹介されていたANdAZ Londonと比較してみましょう。
今年の4月14日から28日まで、”Reader-in-Residence”というイベントが行われるそうです。Times のジャーナリストである Damian Barr 氏がホテルを訪れ、
・宿泊客のために本を朗読してくれる
・ 一人一人に必要な本を処方(推薦)するという「ビブリオセラピー(和製英語風に置き換えれば、ブックセラピーといったところ?)」を実施してくれる等のサービスを無料で実施してくれるとのこと
このANdAZ Londonは、プランではなく期間限定のイベントなので比較しにくい部分はありますが、自分がどちらを選ぶか、と言われたらやはりANdAZの方でしょう。
堂島ホテルの場合は、プランとして組み込まれているため、選んでもらった洋書は自分のものとなり持ち帰ることが出来ます。(交換・返品は不可)なので、部屋に入った時にどんな本が選ばれているか、というある意味サプライズ的な喜びを味わうことが出来ますし、所有欲も満たしてもらえる一方で、6種類のカテゴリというかなり大雑把なカテゴライズで選ばれるため、自分の趣味ではないものが選ばれる可能性も含んでおり(ビジュアル書がメインなのでそれほど大きく外れることはないでしょうが)ある意味では冒険的な要素が大きいです。またホテルということから考えると、その本を持って移動しなければならない、となると少しためらいが生じることも事実でしょう。
逆にANdAZの場合ですが、個人的に上手な朗読者に本を読んでもらえる喜びというのは、なかなか味わえるものではありません。基本的に本というのは一人で楽しむものですから、旅先で誰かが自分のためだけに知らない物語を語ってくれる、というのはなかなか楽しそうです。さらに、ビブリオセラピーで本を処方(推薦)をしてもらえるのは嬉しいですね。豊富な本の知識を持った人から、自分にあった本を「じゃぁ、これはどう?あらすじはね…」と説明されたら、思わず欲しくなってしまいそう。
もちろんhacknetでもプランではなく書店自体にそういうサービスはあります。hacknetには予約制の個室があり、それを利用すると「ブックコンシェルジェ」のサービスが受けられるので。ただ、せっかくのホテルとのプランなのであれば、もう少し踏み込んでもらいたかったという気も少しします。
何にせよ、ホテルと書店という組み合わせは、今後も増えていくと私も嬉しい。ホテルに泊まった時は出来るだけホテル内で完結できるとものすごくリラックス出来るしね。(私はとても方向音痴だから、知らない土地だと書店を探すのにも一苦労するのだ)
ちなみに3/28に閉店するhacknetはそれまで30%OFFセールを開催中です。これで東京店しかなくなるので、興味のある方は今の内にどうぞ。
堂島ホテル
住所/〒530-0004 大阪市北区堂島浜2-1-31
TEL/06-6341-3000(代表)
FAX/06-6341-3013
はじめまして。トラックバックありがとうございました。
こんなホテル、日本にもあったのですね。「同じことしてるホテルがあるかな?」と思いながら書いていたのですが、間もなく書店が閉店とは。残念です。
しかしこのコンセプトはきっと好きな人が多いはず、と勝手に考えているので、いずれ別のホテルで似たようなサービスが始まるのでは、と思っています。