記憶から消えていく、というのはちょっと違う。鮮やかだった色が少しずつ色あせていくように、記憶もまたぼんやりと輪郭がおぼろげになっていく。哀しみは癒えるけれど、逆にそのことが哀しみを深めているような気もする。そんな3年め。トルコキキョウを近所の花屋で買ってきて、そっとリビングの棚の上に飾った。すぐそばにある写真立ての中では、母がほがらかに笑ってる。
あのことを聞いておけばよかったな、とか
教えてもらっておけばよかったな、とか
この3年、何度も思って。
寂しさは変わらない。
でも、それでも母がいなくなる前の数年間のことを
相方と話せることで少し救われている。
私が席を外している間に、母と交わしたたわいもないことを
ふと思い出して、私に伝えてくれる言葉に
少し泣きたくなってしまう。
まだ3年、もう3年。
毎日めそめそしてたら困るけど‥
もう3年経ったけど‥
まだまだ3年しか経ってないんだもの
思い出したら泣いたらいいじゃないですか(^_^)
いっぱいいっぱい思い出してね。