若かりし頃の店主が、フランスで食べたあのタルト・タタンが忘れられない、と試行錯誤で作り上げたのがここのタルト・タタン。その奇跡のようなタルト・タタンのレシピは、今、彼女のお孫さんに受け継がれています。ここは京都、岡崎にあるカフェ「ラ・ヴァチュール」。パリを彷彿とさせる深いグリーンの窓枠や真っ白な壁に目を惹かれながら、入り口をくぐりました。
手前は優しい光あふれるスペース、カウンターの前を通り過ぎ30cmほどの小さな段差をこえて進んだ奥のスペースは窓がなく絵画に囲まれたアートな空間です。
こちらが名物のラ・ヴァチュールのタルト・タタン。上にかかっているのはヨーグルトソース。
フォークを入れると、じっくりと甘く柔らかく、バターとお砂糖で煮こまれたリンゴがゆっくりとちぎれます。アダムとイブが食べて楽園を追い出された原因はリンゴだと言われていますが、真っ赤に熟れたリンゴの甘酸っぱくさわやかな芳香をかいでしまった二人は、きっともがずにはいられなかったのでしょう。ここのタルト・タタンを口にすると、その気持がわかるような気がします。
そんな完璧な甘さをさっぱりとしたヨーグルトソースがすっかり打ち消してしまうので、もう一口、さらにもう一口とフォークが進んでしまってあっという間にペロリ。
こちらは、くるみのタルト。キャラメルと一緒に焼き上げたいかにもなフランス菓子は力強い甘さと、サクサクした食感のバランスがなんともアンバランスだけれど、そこが魅力的。口の中にキャラメルいっぱい詰められたような圧倒的な甘さに驚くかも。
京都駅のSUVACO姉妹店でも食べられますが、やはり一度は本店で食べてみたかったので夢がかなって幸せです。
【店舗情報】
店名/ラ・ヴァチュール(La Voiture)
住所/京都府京都市左京区聖護院円頓美町47-5
TEL/075-751-0591
定休日/月曜日
営業時間/11:00~18:00