long time no call

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「わかる?」


少し黙った後、「…わかるよ」と私が応える。
かすかに笑って。

君は、心底ほっとしたように笑う。

寒いね、もう冬だね、なんて
たわいもない会話だけが空中に消えていって
本当に喋りたいことは、どちらも切り出せない。

「…また、電話してもいいかな?」

と、遠慮がちに君が訊ねて、私は言葉に詰まる。

両方は手に入れられないよ、と
言ったのは誰だったかな。

私は我が儘だと思う。

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