グッドデザイン賞を受賞したヨコミゾマコト設計の「STYIM」

スポンサーリンク

さてさて、今更感がありますが、そんなことは関係なくエントリーしますよ。(笑)

今年のグッドデザイン賞で金賞を受賞した作品は以下の作品群。10月26日(金)~11月25日(日) まで「Good Design 2007・ワールドプレミア」Part 2も開催されていて、大賞はもちろん特別賞を受賞した40点が見られます。場所は東京ミッドタウン。

gooddesign

大賞を受賞したのは、一番上の左。三洋電機の「eneloop universe products」でした。

詳細は以下の通り。

「充電してくり返し使う“使い捨てない”カイロ」や、「内蔵の充電式ニッケル水素電池に充電してくり返し使うポータブルウォーマー」、「外部電源をまったく使用せず、100%太陽のエネルギーでeneloop充電池を充電する」ソーラー充電器セット、このプロダクツ群が見事に受賞。

07B02024_L 他にもWiiや、N700系、Mediaskinといった有名どころが並んでいますが、個人的に気になったのは、建築・環境デザイン部門の株式会社アスコットの「STYIM」。マンション(賃貸集合住宅)として初めてグッドデザイン賞を受賞した作品。

デザイナーは、有限会社aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所、ヨコミゾマコト+株式会社長谷建築設計事務所 長谷清志+株式会社アスコット

平面に多くのプランがあるのは当然ながら、断面にまでたくさんのバリエーションを持ち込んでいるのは珍しいし、正直これは工事が大変だったろうなぁ、と思いますが、住む側にしてみれば、まさに集合住宅のデメリットでもある「他と同じ」ではないところが、決め手になるんじゃないかと思いました。

概要によると、

GOOD DESIGN AWARD [ Results 2007 ]

住戸の平面だけではなく断面にまでバリエーションを持たせたことにより、まるで寄木細工のような階構成となっている。その構成を素直にファサードに反映させたことで、東京、日本橋界隈の雑多な下町の風景に紛れ込むことのない存在感ある外観をもたせることに成功している。その構成をより明確にするために、柱型、梁型のないRC薄肉ラーメン構造を採用した。(構造設計:アラン・バーデン)

単純に床面・壁面・天井面のみで構成された室内は、外の風景も取り込みながら、広々と明るい空間となった。

ちなみに、デザイナーのヨコミゾマコトは群馬県勢多郡東村にある新富弘美術館の設計をしたことで知られる建築家。この富弘美術館は詩人・星野富弘の美術館なのだが、2005年4月にリニューアルオープンしている。このリニューアルに際しては、国際コンペが開催され大きな話題になった模様。

弐代目・青い日記帳 | ヨコミゾマコトの富弘美術館

設計は内外の建築家による公開の国際設計競技(コンペ)方式で実施された。インターネットで公募した新美術館のコンペには,世界54カ国・地域から1,211件が寄せられた。館長の金子さんは「これほど反響があるとは思わなかった。恐らく設計競技史上の世界記録でしょう」という。

外国人を含む世界で活躍する建築家を審査員に,第1次審査で5案に絞り込み,結局,ヨコミゾマコト案が当選作となった。一辺52mの正方形の中に,直径5mから16.4mの円筒状の展示室とそれぞれの機能を持った部屋が33個並ぶという斬新なスタイルの美術館である。

m_bg  上記のサイトでは、美術館の写真がいくつか見られるけれど、大小の33の丸がくっつきあって部屋が構成されているというとんでもなくユニークな建物なのだ。

つまり柱がない!

富弘美術館 | 館内施設案内によると、どうやら壁や床、素材までもすべてがそれぞれの部屋で異なっているらしい。

これは是非とも上部から是非見下ろしたい建物ですね。

星野富弘といえば、口でくわえた筆で草木の絵を書き始め、そこに素朴な詩を添えていることで知られる詩人。このシャボン玉のようなふうわりと優しい印象を受ける建物は、彼の作風とぴったりあってるんじゃないでしょうか。この建物は日本建築学会賞も受賞してます。

グッドデザイン賞の作品もそうですけど、結局その建物において人々は一体何を必要としているのか、期待してるのか、をきちんと理解してることが大事なんでしょうね。

【関連リンク】
有限会社aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所
新富弘美術館

スポンサーリンク
この記事をお届けした
sorariumの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!

シェアする