元禄16年(1703年)、遊女のお初と醤油屋の手代だった徳兵衛が、大阪・曽根崎にあった「露天神社」の境内で心中をはかり、大阪中が大騒ぎになった事件がありました。元禄16年というと、ちょうどその二年前に「元禄赤穂事件」いわゆる忠臣蔵があった時代、今から300年前のことです。その一ヶ月後に当時の戯作者・近松門左衛門が事件を脚色して本を書き、大阪竹本座で人形浄瑠璃の芝居「曾根崎心中」として発表して大成功をおさめます。この当時、竹本座が抱えていた借金がこの成功ですべて返済できたそうです。この「曾根崎心中」がいわゆる「世話物」(世の中のあれこれを芝居にしたもの)ジャンルの先駆けになりました。
曾根崎心中のあらすじ
二人はもともと恋仲同士。ある日、二人が久しぶりに出会って、お初は徳兵衛が連絡をしてこないことを責めると、徳兵衛が実は大変な目にあっていた、ととうとうと語り始めます。
徳兵衛が醤油屋で丁稚奉公をしていたところ、叔父である主人に気に入られてしまい主人の姪との結婚話が持ち上がります。徳兵衛が断ろうとすると、既に主人は徳兵衛の継母へ持参金を渡してしまったとのこと。慌てて徳兵衛が継母からお金を取り戻し、主人に返そうとしたところ、友人・九平次にお金を貸してくれ、と言われ貸してしまうのでした。
ところが期限をすぎても一向にお金を返さない九平次。そればかりか公衆の面前で詐欺師呼ばわりし仲間とともに徳兵衛を袋だたきにしてしまいます。
九平次は死んで潔白を証明するしかほかはないと思いつめ、最後に会いにきた徳兵衛を見たお初も覚悟をきめて、二人で露天神社へ向かい心中をするのでした。
曾根崎心中の締めのセリフが
未来成仏疑ひなき 恋の手本となりにけり
であることは有名ですね。
縁結びの神社「お初天神」
そんな舞台となったお初天神は縁結びの神社として親しまれています。結局心中してしまうのだから、ハッピーエンドじゃないんじゃ…?!という疑問はありますが、そこまで深く愛しあったということからでしょう。
絵馬は4種類。
遊女のお初はカキツバタのように美しい女性だったと言われていますから、それにちなみ美人祈願の絵馬があります。自分で顔をこの絵馬に書き込むのですが、なかなか皆さん個性的(笑)
そして実はお初天神は「恋人の聖地」にも認定されています。恋人の聖地は、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとしてNPO法人地域活性化支援センターが全国から選定しているものです。
大阪だと他にスカイビルの空中庭園展望台、そしてりんくうマーブルビーチがありますね。なので意外とカップルが多く参拝していたりします。
恋人との大阪旅行のついでに、立ち寄ってみるのもいいかもですよ!
お初天神グルメについてはたびねすでガイド記事を書いています。
大阪グルメをカップルで楽しむなら「曽根崎お初天神通り商店街」で決まり! | 大阪府 | [たびねす] by Travel.jp
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