匙加減 2007/9/3 コトノハスポンサーリンク そのへんの匙加減が、あの人は絶妙に上手かったと言ってもいい。 つなぎたいのにつなげず、 迷惑だろうかとひたすら迷っている私に、 そっと黙って手をさしのべてくれたのもあの人だったし、 寄り添えばただ、抱きしめてくれたのもあの人だった。大丈夫だよ、なんて意地を張る私の虚勢を一瞬で突き崩して、 強引に手をひっぱった彼の手のひらの温かさを 私はまだ忘れることが出来ない。ひどい話だと思う。忘れさせてもくれないなんて。