カルドのすぐそばに、小さなのれんのかかったお店がある。「珍竹林」、そう、ちんちくりんだ。
この日の京都は猛暑、というより酷暑だったにもかかわらず、「ここの雑炊が美味しいんだ」と誘う人がいて、あぁ、そうなの?でも私あんまりお腹が空いてないんだけど…と言うと、お茶漬けもあるというし、ふむ、まぁ、いいよ、と入ってみた。
後で知ったのだけれど、ほぼ日でも紹介されてました。
高瀬川に面していて、45年は続いているお店です。ここでは、ひとり鍋の、すっぽん鍋、石狩鍋、寄せ鍋、鴨鍋などがあります。昼も夜も営業しています。
どれもおいしくて、お値段はそれぞれだいたい1500円くらい。
入ると、まさに民芸茶屋。変な音楽などは一切かかっておらず、変な音楽などは一切かかっておらず、一人の男性も多い。もくもくとみな静かに雑炊やらお茶漬けを食べているのだ。奥の窓からは高瀬川がのぞめる。なんというか…
おばあちゃんの家に来たような感じですね、ほんとに。静かで落ち着く。
彼が「鰻雑炊」を頼み、私は「たらこ茶漬け」を注文。小さなお店ですがわりと繁盛していて、おばあさんが一人で厨房とテーブルを忙しなく行ったり来たりして常に忙しそうにしている。このおばあさんがまた腰が低く愛想のよい方で、「申し訳あらしまへんなぁ~」とこられると、いえいえ、そんなお気遣い無く~などと言いたくなってしまうのだった。(笑)
そして出てくるのも非常に遅いのだけれど(多分厨房は旦那さんが一人でしておられるのだろう)、もうこれは仕方ないと思おう。待つだけの価値はある。先にお漬け物を出してくれるので、それでのんびりとお酒をたしなみながら待つのが正しい。
また、この浅漬けが美味しいのだ!これは絶対に買い置きではなく、きちんと漬けてるものだ。うちの祖母が漬けているのと同じ、いや、もう少し上品かな、本当にちゃんと漬けてある漬け物の味。美味しいなぁ。
たらこ茶漬け。実は茶漬けと書いているけれど、お茶ではない。後で精算の時のおばあさんが、「うちはぶぶ漬け、あ、お茶漬けのことですけど(※)、お茶ではなくて出汁なんです」とおっしゃってた通り、この出汁がたらことものすごく合う!そして山椒の味がきいてるし、たらこもねっとりとして、こんなお茶漬けは初めて!そりゃお茶漬け一つ作るのに時間かかるわねー、と納得の一品。
※京都ではお茶漬けのことをぶぶ漬け、と言います。ちなみに、京都では客として出向いた場所で「ぶぶ漬けいかがどすか」と聞かれたり、ぶぶ漬けを出されたら「はよぅ帰ってください」という意味だ、というのは有名な話。本当かどうかは知らないが、あるブログでこんな記事がのっていたので、本当にあるのだろう…
→タケモグ: 京都名物“ぶぶ漬け”
鰻の雑炊も一口いただきましたが、こちらもまた素晴らしいお味でした。あぁ、今度はもう少し涼しくなってからここの雑炊を食べたいな。おばあさんの対応や人柄もとても好きになりましたし。一人でも入れる気軽な店なので、ぜひ、秋か冬に京都にきた人には寄っていただきたいものである。
【参考サイト】
ほぼ日刊イトイ新聞 – 京都に「知りあいの宿」をつくろう。
気ままな Photo Diary: 雑炊
珍竹林
住所 :京都府京都市下京区西木屋町通四条下る船頭町237
TEL:075-351-9205
営業時間:11:30~15:00 17:00~21:30
水曜定休
実はここ、行ったことあるんですよ~(^^)
冬に行ったんですが、
もう、美味しいのなんのって!
また冬場に行くことがあったら行きたいです。
お店のおばあちゃんも、暖かい人柄が滲み出てて
お腹も心もあったかくなるようなお店ですよね。