天ヶ瀬吊橋を離れてもと来た道をたどると、平等院鳳凰堂の入り口がすぐ見えてきました。入り口の前にちょうどお土産物屋があり、そこの駐車場が有料駐車場として空いているようだったのでそこに停めさせていただきました。すぐに入り口にいき、拝観料600円を支払い入場。
まずは「南門」へ。伏見桃山城からの移構とされています。現地案内板によると「樫(かし)材による建築物はこれまで日本で確認されたことがなく、城造りの天才として知られる秀吉による城門「薬医門」の現存する最古の建築として注目され」ているそう。
しかし、ここでのんびり見ている暇はありません。
入り口でチケットを購入する際に、鳳凰堂の内部観覧を希望する場合は、現在かなり待ち時間があるので先に施設内の受付で予約することをおすすめします、と言われてしまったのです。というわけで、のんびり写真を撮っていたら「早く!それはまた後で戻ってきたらいいから!」とせかされ、とりあえず途中までは全てスルーさせられ、内部観覧受付へ。
とれたチケットは15:10のもの。というわけで1時間半の空き時間があるので、ここから再び最初に戻ってのんびりと見ていきました。
鳳凰堂内部は、別途観覧料(300円)がかかります。午前9:10~午後4:10が受付で20分毎に1回50名が入ることが出来ますが、土日は非常にたくさんの人が観覧希望をするので、ともかく一番先にここで受付をすませてしまうことをおすすめします。
時間になったら橋の袂に並ぶというシステムになっています。
「養林庵書院」。通常非公開のため見られず。ここの障壁画は狩野山雪作と見られており宇治市指定文化財です。そして、2012年、画家・山口晃による新作襖絵14面が奉納されたらしいのですが…見てみたかった!残念ながら外側からだけ。。
特別公開してくれないかなぁ。
「浄土院」。公式サイトによると
平等院の塔頭で、浄土宗の栄久(えいく)上人が、明応年間(15 世紀後半)に平等院修復のために開創した寺と伝えられています。 文化財である阿弥陀如来立像、帝釈天立像、養林庵書院障壁画などを管理しています。
この浄土院に展示されているのが「救世船乗観音」という仏像です。船に乗った観音様というのはなかなか珍しいですよね。戦後間もないころに行方不明になり、こちらは復元されたものです。
この仏像を復元した仏師の方が製作過程を公開しておられます。→佛師.com -hotokeshi.com- | Gallery 作品の紹介 : 制作工程 |
浄土院のすぐ側にある「羅漢堂」。こちらも宇治市指定文化財です。茶師星野道斎とその息子たちにより寛永17年(1640)に建立されたものだそう。内部は格子越しに覗きこむことができるので、ぜひ天井を見てみてください。
鏡天井に龍が描かれており、迫力があります。
現在まだ修復中の鳳凰堂の一部もこうして見ることができました。
奥に見えているのが「観音堂」で、
鎌倉時代前期に創建当時の本堂跡に再建された建造物とされており、法橋徳応のニ天像、不動明王像が祀られています。 重要文化財。
不動明王像は迫力があってなかなか見応えがありましたが、裏側にまわらないと見えないので見逃す人も多いかも。
さて、こちらがメインの平等院鳳凰堂です。平成の大改修を終え、柱を朱色に塗り替え、金メッキも張替えてあり、色鮮やか。以前はもっとすすけた侘び寂びを感じる色あいだったそうですが、創建当初はこのような鮮やかな色だったらしいです。
この大改修、塗替えに関してはいろいろ議論もあったようですが…。
現在の地味で枯れた印象から、「真っ赤で金ピカ」の姿に大変身するわけだが、この改修をめぐり「歴史的に意義がある」「いや古色が失われ、違和感を覚える」と研究者らの間で賛否の声がわき上がっている。
【関西の議論】「真っ赤で金ピカ」か「古色・わびさび」か、平等院鳳凰堂「平成の大改修」めぐり研究界“侃々諤々”(1/3ページ) – MSN産経west
平安時代後期、天喜元年(1053)に、時の関白藤原頼通によって平等院に建立された阿弥陀堂です。華やかな藤原摂関時代をしのぶことのできるほとんど唯一の遺構として、このうえなく貴重な建築です。最も大きな特徴は池の中島に建てられていることで、あたかも極楽の宝池に浮かぶ宮殿のように、その美しい姿を水面に映しています。
内部も観覧したのですが、お堂の真ん中に大きな丈六阿弥陀如来坐像が座っておられ、周囲の壁の上部に52体の雲中供養菩薩像が飾られています。
これらの52体は、それぞれ楽器をもったり合掌したりしているのですがすべての菩薩像が雲にのっているのが特徴です。半分はレプリカで、本物はミュージアムの方に展示されています。それぞれ動きがあって非常に面白いので、これはぜひミュージアムでじっくりと見たい像の一つですね。
思わず10円玉の裏をかざしてしまう(笑)
平等院ミュージアム鳳翔館には、先ほどあげた雲中供養菩薩像だけでなく鳳凰も展示されているのでぜひ寄ってみてください。ミューアジムショップ・グッズには雲中供養菩薩像のマステやポストカードもあります。
阿弥陀堂中堂の大棟の南北両端に据えられていた鳳凰1対です。大気汚染などから守るため、現在飾られているのは復元されたもの。本物は鳳翔館に展示されている方です。
事前にサイトで藤の開花状況が見られるのですが、見頃はまだまだ、という感じなので残念、と思っていたら予想外に美しく藤棚が彩られていました。
我が家にも昔藤棚があって…そこで家族で毎年バーベキューしていたのを、少しせつなく思い出したりしていました。藤を見ると、母のことを想ってしまう。
この日は快晴、というほどでもありませんが、陽射しが強く5月にしては暑い一日でした。
平等院は思っていたより広いので、ちょいちょい休憩しながらのんびり見るのがおすすめ。
【施設情報】
施設名/世界遺産 平等院
住所/京都府宇治市宇治蓮華116
TEL/0774-21-2861
拝観時間/午前8:30~閉門 午後5:30
拝観日/年中無休
カード/不可
天ヶ瀬と平等院は、高校の遠足で行った場所。懐かしい!
先日 三室戸寺の紫陽花を3年ごしでやっと見に行ったばかりだけど
そらさんのレポートを読んで、また宇治に行きたくなりました。