という小説がありましたっけ、村上春樹の小説で。でも、私が思い出すのは、やはり宮本輝の「螢川」
螢の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱(おり)と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞いあがっていた。
あの圧倒的な描写力。芥川賞受賞作。
昔々、本当に螢が乱舞していてまるで山全体が光っているように見える時があったというそんな地域も滋賀県にはある。今はもうそれほどではないけれど。
螢の季節だね。
あの夜に戻りたい、とは今は思わない。
はかない一瞬の光りに惑わされて、私が君を呼び出したのはいつのことだったかな。久しぶりだね、と私は少しだけ微笑んで、君と背中合わせに座ったまま、ただ黙って二人、螢を見ていたんだ。
あの魔法はもうずっと前にとけてしまったけれど、後悔はしていない。
先日、守山市にてホタル鑑賞してきたよ。
淡い光りは幻想的だったなぁ。
思った以上に乱舞していたと思う♪。