旅行口コミサイト「tripadviser」のアンケート「行ってよかった美術館&博物館 2011」で堂々一位に輝いた「大塚国際美術館」。せっかく徳島に行くんだったらぜひ行ってみたい、同僚も行ってよかった!と言ってたし、と相方が珍しく行き先を主張するので、それならば、と行くことにしました。
鳴門北ICからは車で3分という近さですが、駐車場はちょっと離れたところにあるのでそこから無料のシャトルバスにのって移動します。
目次
大塚国際美術館とは
徳島県にある大塚製薬による私設美術館。国立新美術館ができるまでは、日本で一番広い美術館でした。大塚グループの一つ、大塚オーミ陶業株式会社が開発した特殊技術で、陶板に名画を原寸大で焼き付けて複製したものを展示しています。
陶板なので、年月がたっても色褪せません。また、絵画だけではなく、建築物、壁画に描かれたものもそのままこの美術館内に原寸大で展示しています。
そして、完璧に複製するために現地へ調査しに行ってるそうです。
撮影はほぼ自由。入場料が3,150円とちょっとお高めですが、とにかく広く美術品は原寸大で1,000点以上もあるので、全部じっくり見てまわるには一日がかり、とも。
入館料が結構高いのがネック
この美術館、今まで何度か徳島に行ったことはあるもののなかなか行く機会がありませんでした。その理由の一つが…
入館料が高い!!!!
一般で3150円。結構なお値段ですよねー!さすが大塚製薬の私設美術館。徳島県民でもこの高さゆえ行ったことがある人は少ないとか…。
割引券を手に入れる方法
そこで、ほんのちょっとだけ安くなる方法として、前売り券を買うこと。
ここに前売り券を販売している場所が記載されていますが、ローソンチケット、セブン-イレブンのチケット、他コンビニの端末で買うことができます。絶対に行く!と決めているのであれば買っておくと150円だけ安くなります。
一人だったら150円ですが、家族で行くとなると結構お得なのでおすすめ。
さて、長いエスカレーターをのぼって、まずは駐車場の券を機械に通します。美術館の入館者は駐車料金が無料になります。
アートくんで顔診断
エスカレーターを上がったら大きなホールがあり、真ん中にインフォメーション、右手にミュージアムショップがあります。そしてそのまま真っすぐすすむと展示スペースがあるのですが、その横に「アートくんで顔診断」という端末があったのでやってみることにしました。
自分の顔を撮影することで、似ている名画の人物を教えてくれます。
まずは相方。ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」に出てくる少年。そ、そうかな?
私はクリムトの「アデーレ・プロッホ=バウアーの肖像」でした。どの場所にあるかも示してくれるので、後で見比べてみるつもりです。
大迫力のシスティーナ礼拝堂天井画・壁画
まず最初は、バチカンにあるシスティーナ礼拝堂。なんとホールをそのまま原寸大で、天井画まで作ってしまったという驚きのスケール。その色鮮やかさと壮大さ。複製画と知っていても息をのむほど美しかったです。
ミケランジェロ、ボッティチェッリなど名だたる画家が参加して描いており、ミケランジェロ最高傑作といわれる「最後の審判」ももちろん再現されています。
さて、ここから色々な絵画を見ていくのですが、さすがに点数が多すぎるので、個人的にここは良かった!!というものだけささっと紹介します。
フェルメールの部屋
まずはフェルメール。フェルメールといえばこれ。
「真珠の耳飾りの少女」(別名「青いターバンの少女」)。陶板なので油彩画独特のタッチを楽しむことはできませんが、黒い背景に鮮やかな青のターバン、そして黄色の服、鈍く輝く真珠のイヤリング、そして何よりも少し開いた口元とこちらを見つめる少女の表情は惹きつけるものがありますね。
古代
「貝殻のビーナス」は、美術館の外に展示されています。雨風にも強い陶板だから、こういう展示もできるのですねぇ。
スクロヴェーニ礼拝堂
イタリアにある礼拝堂で、こちらも世界的に有名。ジョットが描いたフレスコ画で知られており、深い群青色がすごく美しいです。天井が高く、ずっと見上げていたくなる空間ですね。
ちなみにフレスコ画とは、壁に漆喰を塗って、それが乾かない間に新鮮(フレスコ)な状態で水や石灰水でといた顔料で描く絵画の技法です。生乾きの状態で絵がないといけないので、計算してやっていかないといけない難しい技法。
一角獣と貴婦人
現在大阪の国立国際美術館で開催されている「貴婦人と一角獣展」で展示されている連作タペストリーの一つ「我が唯一の望み」です。
これ、見に行こうか迷ってたんですが、こうして見てみるとかなり大きくてびっくり。国立国際美術館では10/20までなので見に行ってこようかな。
受胎告知
ここでは、多くの画家による受胎告知の絵が描かれていたのですが、作家によって解釈が全然違って、面白いです。これは、レオナルド・ダ・ヴィンチによる受胎告知。聖母マリアの表情、そして天使との距離感。ダ・ヴィンチらしいおだやかでやさしい表情をしています。
ヴィーナスの誕生
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」です。ジョジョの奇妙な冒険「ストーン・オーシャン」12巻にも、マンガや絵画の登場人物が抜け出す、というスタンド「ボヘミアン・ラプソディー」を持つ敵の時に出てきましたね。
書斎の聖ヒエロニムス
ヒエロニムス…?あれ、どこかで聞いたような…。
あ!と一瞬このヒエロニュモスかと思いましたが、全然別の人でした。
バベルの塔
神の怒りを買い、意思疎通ができないよう言語をバラバラにされてしまった原因となったバベルの塔を描いたものです。
バベルの塔といえば、バビル2世です。♪3つのしもべに命令だ〜怪鳥ロプロス〜そら〜を〜とべ〜ポセイドンは〜うみをいけ〜ロデム変身〜地を這って♪大好きでした、アニメ。
最後の晩餐
レオナルド・ダ・ヴィンチによる「最後の晩餐」。イエス・キリストが12人の弟子のうち1人が私を裏切る、と予言したシーンです。
ここでは、修復前と修復後の絵画を同じ部屋で見比べることができます。
修復後。
ここでどういう情景を描いたものなのかを館員の方が説明してくれていたのですが、聞いてみると、なるほど、確かに裏切り者・ユダは他の人と明らかに区別されているのがわかります。
モナリザ
世界で一番有名な絵画とも言えるかもしれませんね。「モナリザ」です。小さい小さいと言われていたのですが、逆にそれが印象に残っていたせいかそんなに小さくないじゃない、と思ってしまいました。
ちなみに相方はルーブルで本物のモナリザを見たことがあるらしい。私もルーブル美術館のあのガラスのピラミッドまでは行ったんですけどねー時間がなくて寄れませんでした。。
ギャラリーフェイクのオーナー・藤田のライフワークは幻のモナリザを手に入れることでしたが、最終巻でようやくそのライフワークも終結。
睡蓮
少し疲れたところで、館内から外へ。本物の睡蓮が浮かぶ広いスペースがあり、
そこにモネの睡蓮が展示されています。これは高知県の「モネの庭」でも同じような展示がされていましたねぇ。あの日は暑くて熱中症になって頭痛がひどかった記憶が…。。
ルノワール
ふっくらとした丸みのある女性を描くルノワール。
右は「都会のダンス」と「田舎のダンス」の比較ができます。
赤石路代の「プライベートアクトレス」2巻で「ルノアールのささやく日」というお話があります。これは母親をなくした子役の少女が、ルノアールの絵画展のポスターをこっそりはがし母親の写真がわりに眠る、というシーンがありました。
そう、ルノアールの描く女性っていかにも母親っぽいのです。
ドガ
「カフェにて」(アブサントを飲む女)。ドガといえばバレエの踊り子、という印象ですがこういう絵も書いているんですね。しかしなんというか、ドガは影を描きたかったのでしょうか。人生の影、みたいなものを。
ドガに関しては、漫画ギャラリーフェイクでも何度かとりあげられてましたね。
マネの「草上の昼食」
マネといえば「オランピア」と「草上の昼食」。
これは男性二人が服を着ていて、女性だけが裸というなかなかショッキングなもので、この当時は大きな批判が起こったそう。それまでは裸の女性というと、神話の女神とかに限られていたらしいので、「不道徳」とかなり言われたらしいのですが、これ以降の絵画に大きな影響を与えた一枚だと言われています。
農民画家・ミレー
ジャン・フランソワ=ミレーの「落穂ひろい」。
「晩鐘」
ミレーといえば「種まく人」。岩波書店のシンボルマークですよ。
「種まく人」のマークについて 創業者岩波茂雄はミレーの種まきの絵をかりて岩波書店のマークとしました.茂雄は長野県諏訪の篤農家の出身で,「労働は神聖である」との考えを強く持ち,晴耕雨読の田園生活を好み,詩人ワーズワースの「低く暮し,高く思う」を社の精神としたいとの理念から選びました.
クロード・モネ
モネのジャポニズム。
ギャラリーフェイク、記念すべき第一巻、第一話が確かクロード・モネだった気がします。贋作だけを扱うギャラリー・フェイクにやってきた昔百姓をやっていたというおじさんが、絵はよくわからないけれどこいつは農家のことをよく知ってる、と気に入ったのが「積みわら」。結局5万円で売るのだけれど、実はこれが真作だったっていうね。
ゴッホ
説明する必要のないゴッホの自画像。フラクタルのせいかちょっと狂気を感じます。
ゴッホの絵の中では一番好きな「ローヌ川の星月夜」。
そして旧・安田火災海上保険が約53億円で落札したことで有名になった「ひまわり」。
ギャラリー・フェイク第一巻の「傷ついたひまわり」に出てきましたね。ここで登場するアラブのお嬢様サラ。彼女はこの後、ギャラリーフェイクに勤めることになり重要なヒロインとなるわけですが、その時に出てきたのが戦争で損傷したひまわりでした。
アンリ・ルソーのへびつかい
日曜画家だったとして知られるアンリ・ルソーの「へびつかい」。この独特のタッチ、幻想的な絵が私は結構好きだったりします。
顔診断で
さて、アートくんの顔診断で私が似ていると言われたクリムトの絵。私自身は似てるかなぁ?と首をかしげていたところ、相方が、(私の)母に似てるね、と言ってはっとしました。
あぁ、言われてみれば確かにすごく似てる。若い頃の母、そして病気でげっそりと痩せてしまった頃の母が化粧をした時の母にとても似てる。ということは私にも似てるということか。
アートくん、侮れません。ちょっと涙が出そうになりました。
ちなみに相方は、この右手をかかげている少年…だけど、んーーー?これはやっぱり似ていない気がする(笑)
ムンク
これも有名。ムンクの「叫び」ですね。つい横で同じ顔をしたくなるっていう(笑)
青い壁紙
つい先日、こんなニュースで話題になっていましたが、赤い壁紙だけじゃなく青い壁紙もあるんですよ!!
→インキ屋大手のDICが赤い壁紙みたいな高級絵画「アンナの光」を売り抜けて103億円の利益 : 市況かぶ全力2階建
クライン・イブの「青のモノクローム」。相方と二人で顔を見合わせてしまいました。すみません。
ゲルニカ
そして、疲れ果てて最後に辿り着いたところにあるのは、ピカソの大作「ゲルニカ」ですよ。まいった!!
中村一義の「ゲルニカ」いい!!ここでBGMにかけたいぐらい。(試聴可)
それにしても本当に広くて、私たちはあまり興味が無い宗教画や古代は飛ばしたのですがそれでも4時間ぐらいはかかりました。
でも日本にいながらにして、これだけの作品群を陶板画といえでも一同に見られるのはここだけ。これを見て満足するのではなく、いつか本物を見に行きたい、見に行ってみたいと思わせてくれる壮大な展示でした。
あぁ、行ってよかった!
【美術館情報】
美術館名/大塚国際美術館
住所/徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65−1
TEL/ 088-687-3737
定休日/月曜日休館(祝日の場合は翌日休館)
※1月は正月明けに連続休館あり、8月無休
営業時間/9時30分から17時まで
↑絵画・美術品にちょっとでも興味がある方はこの漫画が絶対おすすめ。なくても、興味が出てくるはず。
両親が行って「すごく良かった!」と言っていて
行ってみたいと思いつつ行けてないのに
両親は さらにもう一回行ったという大塚美術館
これ見たら すぐにでも行きたーい☆
顔診断も楽しみです。
お母様の面影がそらさんの中にあるのですね。
年をとると、いろいろ似てきますよー。