定時に上がり、待ち合わせ場所へ急ぐ。
今日は、とても空が綺麗に焼けている。
トワイライトタイム
私が一番好きな季節で、一番好きな時間だ。
掘は夕焼け色に染まり、桜の花びらが模様を作る。
星の王子様が住んでいた星は
とてもとても小さいから
座っている椅子を何メートルか動かすだけで
いつでも好きなだけ、「夕暮れ」が見られた。
「ぼく、いつか日没を一日に四十四回見たよ。
だって、とても悲しい気分のときは日没ってすばらしい…」
「一日に四十四回も夕陽を眺めた日はずいぶんと悲しかったんだね」
しかし王子様は何も答えなかった。
2ヶ月ぶりに友人のA氏と食事。
よくこちらには仕事できているらしい。
以前一緒に行こうとしたら休みだった地鶏の店に再度挑戦。
もちろん今日は開いていた。
ここの地鶏は本当に美味しい。
からあげにしたって、普通の店の鳥の唐揚げとは
まったく、全然、違うのだ。
近況報告をしてみる。
のだけれど、喋りながら思い出したりして、
出来るだけ正確に物事を伝えようとすると
長い間黙り込んでしまう。(というか考えているのだが)
その沈黙が苦手そうで、気まずそうにしていたから、
あぁ、どうしよう、と私は思うのだった。
だけど、たぶん、人というのはそういうものなのだろう。
私は沈黙をただ、「苦」だととらえたくはないのだ。
その間や気まずさや、降ってくる静けさを
受け止めることで何が起こるのかを見てみたい、なんて
思ったりする。
私が…、あの人に惹かれたのは、
ただ彼が黙って私のそばに座って
ゆきかう人をただただじっと見つめていた、
その瞬間だったのかもしれないと、今は思う。
もう、ずっと、昔の話。