写真家・若木信吾を知っている人は、このブログを見ている人のうち、何人いるだろう。一人か、二人いたらいいほうじゃないかな。私自身もそんなによくは知らないのだけれど、一度だけ、彼の作品集を見たことがある。あれは、大阪の小さな専門書店だった。とても暑い、夏の日。
そこで手にとった大判の写真集には、全て一人の老人が写っていた。とてもスマートで、チャーミング。モノクロームの世界。人の目を惹きつけずにはいられない何かがそこには確かにあった。
後で、それは若い写真家が、彼の祖父を撮ったものだとわかった。なんていい写真なんだろう。感情の琴線にふれるもの。それは「もう、家へ帰ろう」にもつながっていく。
「最初の頃は、そういった広告写真のスタイルを真似て、ポーズをとらせたりした写真が多かったですね。でも、そのうちありのままの姿を撮るようになっていきました。自分の身内だからか、老人を撮っていても、老いや命がといった“厳しさ”が無いんですよ。アーティストとしての作品、というより記録的な意味合いが強い。でもそれでいいって自然に思えたし、そう思える対象に出会えた自分はカメラマンとして幸せだとも思ってます」
その彼が初めて映画に挑戦したのだという。
ファッション誌の撮影をはじめ写真集や広告、ポートレート作品などさまざまなフィールドで活躍する写真家、若木信吾さんが監督・脚本を手がけた映画「星影のワルツ」の先行レイトショーが4月21日より、渋谷・シネマライズ(渋谷区宇田川町)で始まる。
若木さんの実の祖父・琢次さんへの思いを綴(つづ)る長編作品。
おお!と思ったのもつかの間。…渋谷ですか、そうですか。そのうちDVDになるかな。それを待ってみたい。写真と映像とは、全然違うだろうけれど、カメラマンが撮った映像がどんなものなのか、どういうカメラワークなのか、興味はつきない。
リンク:若木信吾オフィシャルサイト
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微笑ましく、ユーモラスで、温かい。
もう、帰ろう と人に言える安心さ
温度感
若木信吾に関しては、そういえば名前は…な程度。
でも藤代冥砂はすごく好きです。
それも、本職の写真の部分ではなく彼の書く文章が。
「ライドライドライド」、オススメです。
ただ、そこに描かれているのは一種の不埒な男性像であるので、
女性から見てどう見えるのかはわからないですけど。