書店で探している本が見つからない時に、まずどうするか?
あきらめて別の本屋に行く人もあれば、書店員に聞く人もいるでしょう。私はまず検索システムを使います。今や大型書店ではほとんどの店に書籍検索用の端末が用意されており、そこでその店の在庫や作家の作品リストが探せます。その在庫検索についてですが、
都市部の大型書店を中心に、来店客がタッチパネル式の端末を操作して本の在庫を調べる光景は珍しくなくなった。しかし、「客数が多い店では『並ばないと端末が使えない』という声も出ている」と、紀伊国屋書店店売推進部の四井志郎さんは語る。
同書店が先月下旬に立ち上げた携帯向けサイト「キノナビ・モバイル」は、そんなタッチパネル式の在庫検索を携帯電話でも使えるようにしたものだ。
場所の制約もあり、タッチパネル式端末を設置しているのは国内では47店にとどまる。だが、今回のサービスを使えば、外出先でも国内の全58店舗にある和書約60万点のほか洋書やDVD、CDの在庫を調べられる。
利用は無料。客はサイトにアクセスし、著者名や本などのキーワドを打ち込めば、在庫の有無や書棚の位置まで閲覧できる。ほしい品があれば、そのまま電話して取り置きを依頼することも可能だ。
なるほど。その店にいてもいなくても、自分の携帯からお店の在庫が調べられるのだ。これはすごくいいサービスだと思う。
時々、電話で雑誌の入荷状況や本の在庫を調べてもらうことがある。早急に必要だったり、どうしても欲しい本だった場合はその方が早い。無駄足をふむのは出来る限り避けたいではないか。時間がない場合には。しかし、この電話をして在庫を調べてもらうのは結構苛々するものなのだ。以下に続く。
●郊外型書店やデパートに入っている書店の場合、書店売り場に直接つながらないことが多い。
こういった書店の場合、ビデオレンタル売り場やゲーム売り場、はたまた文具売り場などなど多くの売り場を持っている場合が多い。書店売り場独自の電話番号を持っていればよいが、代表番号しかない場合もあるし、たとえ独自の電話番号を持っていたとしても、書店売り場の担当のものが出るとは限らない。忙しい時には、他の売り場のものが出ちゃうことだって往々にしてあるのだ。そうすると、この時点でまず「書店売り場におつなぎいたしますので少々お待ち下さいませ」と、リズミカルで耳障りな音楽が聞こえ始める。
●書店員もピンキリ。
ようやく書店売り場につないでもらったとしてもここで安心してはいけない。あなたは、自分の探している本のタイトルを言う。ほとんどの人はISBNなど記述していないし出版社名さえ覚えていない。そして、電話というのはとかく聞き違いがおこりやすい機械なのだ。さらにあなたが外出先で携帯電話でかけていたりすると、さらに問題は悪化。雑音でききとりにくくなり、何度も何度も聞き直される羽目になる。ようやく伝えたとしても、ここからは応対した書店員の力量にまかさなければいけない。当たればよいが外れたら最後、えんえんと待たされるということを覚悟しなければならない。ちょっと気のきいた店員なら、時間がかかりそうだと判断したら「お調べしておかけなおしいたします」と言ってくれるが、そうでない新人バイトの子に当たってしまうと(このへん、電話ではなんとも判断つかないのが辛いところ。書店にいたら、大体わかりますから。名札にレベルが書いてますので、たいてい)
新人バイトくん 在庫検索をしてみる
↓
見つからない
↓
もう一回してみる
↓
見つからない
↓
それを見つけたベテランバイトくんが話しかける。「何を探してるの?」
↓
新人バイトくん あなたから聞いた情報をベテランくんに説明する
↓
ベテランバイトくん、探す
↓
見つからない
↓
ベテランバイトくんが電話をかわり、再度あなたから情報を引き出す
↓
再検索
↓
見つかる(あるいは、未発売等の情報が手に入る)
↓
説明される
というものすごい長い流れになるわけで、これはもう苛々感はますばかり。この待たされている間、「もういいです」とも言えませんから。ひたすら音楽なりっぱなし。ま、こういう場合は事前にAmazonで携帯で調べて、ISBNをメモってそれを伝えるのが一番いい方法。新人バイト君にも確実に出来ますから。
そんなわけで、出来るだけ電話で在庫検索はしない主義なのですが、じゃ、実際書店にいた場合はどうかというと、これまた使いにくいのだ、書店の在庫検索端末ってやつは。
●タッチパネル式でキーボード入力が出来ない上に、非情にパネルに伝わりにくい。
私が爪をのばしているからかもしれないが、ひどく幼いとあのタッチパネル式のものって認識しないことないですか?隣の文字が押されてしまったり、同じ文字が二度押されてしまったり、もうこれも苛々させられる。キーボード入力ぐらいさせて欲しい。
●在庫のあるなしが最後まで出てこない
その店の在庫状況は、リスト画面から個別ページを開くまではわからないという仕様はどうなのだ?!と思うけど。リストの状態でわかるようにするべきでしょ。
というわけで、書店の在庫検索はあまり使わないのだけれど、書棚を歩きまわりながら自分の携帯で在庫状況が検索できれば、一番の問題であるタッチパネルの使いづらさは解消されますし、いちいち検索するたびにその端末のところに戻らなくてもいいわけですから便利だ。ここまできたら、ついでに会員登録をすれば、取り置き依頼も携帯端末で出来てしまえればいいのに、と思わないこともない。最後に電話をかけなくてはいけないっていう点までクリアされてたら文句なしなのだが。
とはいえ、いいサービスだと思う。リアル書店でもこうした情報端末を利用しながらユーザーの利便性をどんどん図ってくれるといい。