1/23(水) 未明
外はまだ、黒洞々たる夜が広がっている。私は開ければ空が広がるバッグを車に積み込む。白いコートと白い手袋、それに鮮やかなオレンジ色のボーダーマフラーを首に巻いて、準備は万端。さぁ、行こうか。
新幹線「ひかり」にのって、朝焼けの中をごうごうとつっきっていく。
名古屋駅に着いた時には既に通勤時間まっただ中で、たくさんの人たちがゆきかっている。その間をすりぬけて、名鉄に乗り換える前に、見つけたポスター。セキスイハイムの住宅博のポスターで、それは綺麗なグラデーションで、文字の組み方とかもとてもきちんとしていて、私はわりと好きだな、とシャッターを切る。
セントレア行きの列車は、ほとんどが旅人で、様々なことを想像させてくれる。だから私は空港行きの列車の中もまた好きなんだ。誰もが、これからの旅のことを考えている。
以下に続く。
セントレアに到着してANAの搭乗手続カウンターへ。私の帰りのチケットの時間を変更してもらう。2本後の便にすれば、あの場所に行ける時間ぐらいはあるだろうから。しかし、そのカウンターの彼女は慣れていなかったのか、その変更手続きに20分ほど(!)とられてしまい、余裕時間もなくばたばたと搭乗ゲートへ急いだ。ANA703便札幌行きのお客様はお急ぎ下さい、というアナウンスが流れる。なんとか滑り込みセーフ。
飛行機には、そうだな、7年ぶりに乗った。空の上の風景があんなにも美しかったことを忘れていたな、私。飛騨高山のアルプス山脈の上空を通過。
ANAで出してくれる紅茶のカップ。
分厚い雲の上は真っ青な大気圏が広がっている。果てしなく続く雲海。私は息をのんでただ窓の外を見つめ続ける。