福岡県久留米市にある「長野時計店」のTVCMが2006年度 ACC CMフェスティバルにおいて「ACC ゴールド」に入賞したらしい。
入賞した作品は、「時間の関係」篇/「HappyBirthTime」篇/「にんげんの時間」篇/「時の商人」篇の4本。アートディレクターは梶原道生氏、そしてコピーが松田正志氏。
どんなコピーかというと、「じだらく:長野時計店のコピーが凄すぎる」に全て掲載されているのだが、特に「時の商人篇」は素晴らしい。
以下詳細。
『時の商人』
その商人は時を売っていた。
「いらっしゃいませ。時はいかがでしょうか?1分から承ります」
ある男は商人から1時間買った。
1時間買った男は、
それを読書の時間に使った。
ある女は1週間買った。
1週間買った女は、
それを海外旅行に使った。
「10年欲しいのだがね」
ある老人は商人に聞いた。
「お客様、10年だと、すこし値がはりますが」
「かまわん。10年ぶんよこせ」
10年買った老人は、
それを病気の妻に譲った。
時に、ドラマを。
宝石 時計 長野
うーん、うまい。コピーを手がけた彼の他の作品はTCCで見られる。→コチラ
子供の写真を見せられて、「かわいいね」と言えず、「そっくりね」とホメる。(シャープ)
親の反対を、コピーで説得した。(宣伝会議)
などなど。
(ところでTCCのコピー検索システム「コピラ」が結構面白い。というわけで、ブックマーク。)
で、、「じだらく:長野時計店のコピーが凄すぎる」のエントリーを「FPN:それはなんのための飾りか。」でも取り上げられていて
でも、この素敵なコピーを紹介してくださったブログには、もっと素敵な一文が記されていました。
“ウェブだろうがなんだろうが根本にあるのはきっと言葉。”
コピーを読んで実際に(欲しい商材を扱っているわけでもない)サイトを訪れた
私の行動そのものが、この一文を実証しているんだと思います。ウェブに限ったお話でも、今ではFLASHやAjaxをバリバリ使った表現力豊かな広告が溢れていますが、それでも、惹かれない広告には惹かれないものです。
ビジュアルに凝った広告もまた素晴らしいんですが、人の心に響く広告というのはやはり素晴らしいコピーがあってこそ、だと思うんですよね。結局のところ。だから、私はいつも広告を制作する時には言葉にこだわります。商品の本質をきちんと理解できて、言葉にして表すことが出来るかどうかがポイントだと思うから。
何も難しい言葉や、フレーズを使う必要なんてないとは思う。今までどれほどたくさん使いまわされた言葉でも、光って見えることがある。
いいですね。
コピーだけ先に読んでしまうと、ビジュアルが要らない気がしますね。
あざとくなってしいそう。
最近は商品広告が多いから、こういうイメージ広告みるとホッとします。
2、3年前にローソン(だったかな?コンビニです)がやってたイメージCMも良かったです。
以前、ネスカフェの宣伝で谷川俊太郎の詩が使われていましたが、あれがとっても好きでした。ご存知でしょうか?「ぼくらは朝をリレーするのだ…」というやつです。
これも普段文章を全く読まないせいかもしれませんが、新鮮でした。
CMのつくりも淡々として雰囲気を乱さない。
最初はコピーライターが書いたものだと思っていて「いいなあ」と気にとめていました。
前半の世界中の子供の描写は心地いいし、後半の「経度から経度へと…」などは単語の選び方が詩世界的でいいなあと。
あとで、これは谷川さんの詩で教科書に載る程有名なモノだと知って驚いたのですが。
こんなに広告ぽいものが創作でかかれるのか…と。
まるでその時かかれたかのように古さを感じない。
それに「世界の朝、ネスカフェ」そのものですし(笑)。
詩ってもっと地味で難解で…というイメージがあったので、広告コピーの中に違和感無く紛れ込む谷川さん感心しました。