時間を見ると、9時半。「まだ随分早いし、ちょっと場所を変えてお茶でも飲もうか」と侘家を出る。とっぷりと闇がただよっている花見小路。木屋町や先斗町の喧噪とは違うざわめきと、静かに落ちる街灯の影が、少しだけ浮かれた気分にさせてくれる場所。
そうして私たちはゆっくりと四条大橋を渡る。Street Jazzの音が聞こえてくる。いい夜。
やっぱり、もう少し飲もう、と木屋町を上がっていったら、一軒のカフェ&バーに目がとまった。店名が書いていないけれど、以前から気になっていた店で、よさそうだね、入ってみようと足を踏み入れてみたのは、「G.LOVE AND SPECIAL SAUCE」。
中はというと…
一階は白いソファが6席程度。奥には厨房が。黒いテーブルには、ハート形の小さなタイルが埋め込まれている。PASTAのメニューが多く、がっつり食べたい人にはちょうどいいかもしれないね。私はカクテルを、シキ君はコロナビールを。
二階へと上がる階段には、一段ずつ蝋を入れたガラスが置いてあって光がゆらぐ。ふきぬけ部分の白いタイル壁には映像がうつされている。一階と二階とで結構印象が違って驚いた。大勢でゆっくりと喋るなら二階の方がいい。
別に酔っているわけでもないのに、シキ君はぶっちゃけトークを展開し、大笑いしてしまった。まぁ、それもありかな。隠すものが何もないあっけらかんとした人と一緒にいると、楽でいい。私はそういう人間ではないし、悲観的になろうと思えばいくらでもなれるから、こういう人といるとそちらに向かわずにすむからほっとするのだ。
そろそろ出ようか、とのんびりと四条烏丸へと向かう道すがら、ベルリンの話が出てきて、ゴールデンウィークに行くつもりだという。ベルリン、か!私も旅がしたいのですが、やっぱり旅は誰かと一緒に行くほうがいい。一人旅はあまりしたくないな、今のところ。誰かと非日常を共有する楽しさもまた旅の醍醐味だから。
後で「よかったよ」って伝えるよりも、一枚の写真を見せるより、その場で同じ風景を見たい。それをどういう風に捉えたのかが知りたい、と思う。
駅に着いたら、終電のアナウンスが鳴り響いて、友人はばたばたと改札を駆け抜けていった。私も同様に。
無理が出来る時は無理をした方がいい時もあるってこと。それは年齢がどうとか、男とか、女とか、そういう事じゃなくってさ。
G.LOVE AND SPECIAL SAUCE
京都市中京区木屋町四条上ル東側鍋屋町
※2007年現在閉店してます。
(09.01.16 追記)
コメントにいただいたように、どうやら一時休業されていただけのようで、今は開店してるらしいです。
情報ありがとうございます。
ちょっとお休みされていただけで
ピザ・パスタも変わらずされていましたよ♪
私も大好きです。