電話に出られなかった事を詫びて、どうしたの、何かあったのと聞いたら、
ふとあなたの事が心配になったので、と言う。
元気ならいいのよって。
思いがけず、心に染みて、涙腺がゆるんだ。
ねぇ、どうしてこのタイミングでそんなことが言えるの?
全然、大丈夫なんかじゃなくて、
苦しくて息ができなかった。
だけど、彼女がそう言ってくれたから、
そうやって、何も知らずとも
言ってくれたから
私は、まだ生きていける、と思った。
だから、私は
大丈夫だよ、あなたも元気でいるんだよ、と
うまく嘘がつける。