既に会期は終わってしまっているのですが、この間大丸心斎橋の大丸ミュージアムで開催されていた「山下清展」のレポートを。
整骨院に行ってから向かったので、ぎりぎり滑り込み。一時間ぐらいしか見られなかったのですが、これが予想以上に良かったです。
大丸ミュージアムで開催されている展覧会の場合、無料会員登録をしておくと割引クーポンがもらえるので、それを印刷して持っていくと一人200円の割引が受けられます。
一般800円なので、相方と二人で行ったので400円の割引に。このへん私はしっかり下調べして行く派ですw
会場に入り、最初は清の子供時代のスケッチと貼り絵が並びます。清は、3歳の頃に重い消化不良になり一命はとりとめたものの、軽い言語障害と知的障害を背負うこととなります。
そのせいで虐めにあった清が描くのは、人ではなく昆虫ばかりでした。
知的障害者のための施設に転校した清は、そこでもしばらくは虫の絵ばかりを描いていましたが、そこで貼り絵に出会います。それにはまった清は徐々に人や風景を貼り絵で表現するように。
この頃のちぎり絵は、一つ一つのちぎった紙片が大きく絵も平坦ですが、年齢を重ねるにつれ、徐々に絵のサイズが大きくなり細かい工夫がこらされていくのがよくわかりました。
そして、18歳の頃、徴兵から逃れるため学園を脱走し、日本全国を放浪することとなるのでした。(結局身体検査で免除されたのですが)
このあたりから、紙をねじったこよりを使ったり、木々の幹の色の違いや雲の影などを細かい紙片で表現するようになりより一層立体的で非常に細かい絵が見受けられるようになります。
最も有名な貼り絵としては、この展覧会のフライヤーにも使われている「長岡の花火」。これは本当に素晴らしかった。やはり写真や絵葉書では、あの紙の盛り上がり、立体感は伝わりません。
映画やドラマによる影響で「裸の大将」といったイメージが強い山下清ですが、実際には着流しの着物姿に風呂敷で放浪していたそうです。リュックも一時期使っていたみたいですが。
そして何より驚いたのが、旅先ではほとんど絵を書くことがなかったということ。テレビなどではその場で描いて貼り絵にしていましたが、実際は、実家や学園に帰ってきて、その風景を思い出して仕上げたそうです。
その絵はほとんど実際の風景と寸分たがわないものだったそう。
映画化されてからは、気ままな放浪の旅はできなくなりましたが、依頼を受けて旅に出、いくつもの絵を書いています。ヨーロッパ旅行にも出かけ、そこで素晴らしい水彩画をいくつも描いていました。
彼の貼り絵も素晴らしかったのですが、サインペンによるペン画、水彩画、そして油絵、陶器への絵付けも、いやぁ、才能がある人はどの分野でも才能を発揮できるんだな、としみじみ感心しました。
個人的には、ヨーロッパの水彩画がすごく良かったです。最初にサインペンで下書きをして、そこに水彩をのせていく手法はあまりないと思うのですが、独特ですごくよかった!
テレビや映画の印象とは全く違う山下清がそこにいました。行ってよかったです。展覧会自体はかなり盛況でした。
物販コーナーもわりと広めにとってありました。複製画があったのですが、貼り絵に関しては絵にしてしまうと、あの紙の立体感が全然伝わらないのでどうかなぁという感じでしたが。
お目当てのポストカードも販売されていたのでいくつか購入。
素敵でしょう。ポスクロで使おうと思っています。また青空書簡でご紹介しますね。
そして、思わず買ってしまった、エッフェル塔の絵。額にいれて飾ろうと思ったのですが、販売されていた額は色が濃いブラウンだったので、この絵の雰囲気にはあわないなーと思ってここでは購入せず。
結局、梅田大丸に入っているハンズでフレーム「A.P.J ステインフレームグリーン太子版 ガラス」(2,415円)を購入。取り寄せに一週間ぐらいかかりました。
リビングにこうして飾っていますが、悪くない感じですね。でもこうして見てるとパリに行きたくなります。一度行ったことはあるのですが、また行きたいなぁ。
[ブログ更新] sorarium – 「生誕90周年記念 山下清展」を見てきました@大丸心斎橋 http://t.co/pfCfQMO2